YUV色空間ってなに？｜わかりやすく解説

YUV色空間ってなに？｜わかりやすく解説

YUV色空間とは？

YUV 色空間とは、映像信号を伝送するために使用される色空間です。RGB 色空間とは異なり、輝度 (Y) と色差 (U、V) を別々に表現します。輝度は白黒画像に相当し、色差は色の情報を表します。この分離により、画像の輝度情報を効率的に伝送できます。また、YUV 色空間は、人間の視覚特性を考慮して設計されており、人間の目に感知されにくい色差を圧縮して伝送することで、データ量を削減できます。このように、YUV 色空間は、映像信号の伝送に適した色空間として広く利用されています。

YUV色空間の仕組み

-YUV色空間の仕組み-

YUV色空間は、輝度（Y）と色差（UV）の3つの要素で構成されます。輝度は画像の明暗を表し、色差は色の情報（色相と彩度）を表します。

輝度は単一の信号として扱われますが、色差は2つの信号に分離されます。U信号は青から黄色への変化を表し、V信号は赤からシアンへの変化を表します。この分離により、輝度と色情報を独立して処理することが可能になります。

YUV色空間の用途

YUV色空間の用途は非常に広範囲に及びます。放送、ビデオ会議、医療画像などの、さまざまな用途に使用されています。

YUVは、テレビ放送で一般的に使用されています。これは、輝度（Y）成分と色差（U、V）成分を分離して保存することで、帯域幅を節約できるためです。また、YUVはビデオ会議にも使用されており、低帯域幅で高品質の映像を提供します。

さらに、YUVは医療画像の処理にも使用されています。医療画像では、正確な色の再現が不可欠です。YUVは、輝度と色差情報を分離することで、高鮮明で忠実度の高い画像を提供します。

YUV色空間とRGB色空間の違い

YUV色空間は、RGB色空間とは異なる方法で色情報を表現しています。RGB色空間は赤（Red）・緑（Green）・青（Blue）の3つの原色を使用して色を表しています。一方、YUV色空間は輝度（Y）・色差（U/V）を使用して色を表しています。輝度は明るさを表し、色差は色味を表しています。YUV色空間は、輝度と色差を分離して扱えるため、輝度に関する情報を強調したり、色味に関する情報を圧縮したりすることができます。この特徴から、YUV色空間はテレビ放送や動画処理などで広く使用されています。

YUV色空間の利点と欠点

-YUV色空間の利点と欠点-

YUV色空間は、画像や動画の圧縮に優れています。人間の視覚は輝度に最も敏感で、色相や彩度に次いで敏感です。YUV色空間は、この特性を利用しています。輝度情報はY成分に集中されており、色相と彩度はUとV成分に分散されています。この分解により、高い圧縮率が得られ、画質を維持しながらファイルサイズを削減できます。

ただし、YUV色空間には欠点もあります。変換処理が複雑になるという点です。Y、U、V成分は相互に関連しており、それぞれを変換するためには計算量がかかります。これは、リアルタイム処理が必要なアプリケーションでは制約となる場合があります。また、YUV色空間は、輝度と色の情報が分離されているため、カラーグレーディングがより困難になる可能性があります。