ATRAC3とは？ソニーが開発した音声圧縮技術を解説
ITの初心者
先生、『ATRAC3』ってどんな技術ですか？
IT･PC専門家
ATRAC3は、ソニーが開発した音声圧縮技術だよ。ATRACの改良版で、従来の2倍の圧縮率を実現しているんだ。
ITの初心者
圧縮率ってつまりどういうことですか？
IT･PC専門家
音声をデータ化するときに、ATRAC3は従来のATRACより少ないビット数で圧縮できるってこと。つまり、同じ音質を維持したまま、ファイルサイズを半分にできるんだ。
ATRAC3とは。
「ATRAC3」は、ソニーが開発した音声圧縮技術です。元のATRACを改良したもので、圧縮率が従来の2倍に向上しています。この名称は「Adaptive Transform Acoustic Coding 3」の略称です。
ATRAC3とは？
ATRAC3とは、ソニーが開発した音声圧縮技術です。1992年に生まれ、1999年にATRAC3Plusにバージョンアップされ、2006年にATRAC3plus Ver2にバージョンアップされました。この技術は、デジタルオーディオを、CDなどの未圧縮フォーマットに比べてファイルサイズを大幅に削減し、デバイスに保存するためのコンパクトな形式に変換します。ATRAC3は、圧縮時にオーディオデータの一部を除去し、サイズを小さくしながらも、オリジナルの音質に近づけるように設計されています。
ATRACからの改良点
ATRACからの改良点
ATRAC3は、ATRACからいくつかの重要な改善点を取り入れています。まず、圧縮率が向上し、同じ音質でより小さなファイルサイズを実現しています。これにより、記憶容量の節約や、音楽プレーヤーへのより多くの曲の収録が可能になりました。
さらに、エンコードとデコードの処理速度が向上されています。ATRAC3は、より高度なアルゴリズムを採用しているため、以前のバージョンのATRACよりも処理が高速になりました。これにより、音楽の再生や操作がよりスムーズに行えます。
また、ATRAC3は、ATRACとは異なるエンコード方式を採用しています。ATRAC3では、非対称MDCT（修正離散コサイン変換）技術が使用されており、より効率的な圧縮を実現しています。これにより、透明性の高いオーディオ品質が実現しました。
ATRAC3の圧縮率
ATRAC3の圧縮率は、MDやメモリースティックウォークマンなどの記録メディアに音楽を収納するために開発されました。CDから圧縮する際、約1/10の容量に圧縮され、MD1枚（80分）に約74分の音楽を記録できます。また、ビットレートは132kbpsで、CDと同等の音質を保ちながらコンパクトに圧縮できることが特徴です。しかし、MP3などの他の音声圧縮技術と比べると圧縮率は低いため、大容量の音楽を持ち運ぶ際には適していません。
ATRAC3の特徴
ATRAC3の特徴は、他の音声圧縮技術との差別化に重点が置かれていました。まず、より効率的な圧縮アルゴリズムを採用することで、従来のATRACより高い圧縮率を実現。さらに、心理音響モデルを改良し、人間の聴覚特性をより正確に反映させたことで、低ビットレートでも高い音質を維持できました。加えて、ATRAC3では可変ビットレート（VBR）に対応し、ファイルサイズと音質のバランスを最適化。音楽のダイナミクスに応じて、ビットレートを自動的に調整し、重要な部分の音質を確保しながら、不要な部分は低ビットレートで圧縮できました。
ATRAC3の用途
ATRAC3の用途
ATRAC3は、主にメモリースティックやウォークマンなどのソニーのポータブルオーディオ機器で使用されていました。これらの機器は、ATRAC3を使用して音楽を圧縮することで、限られたストレージスペースに多くの曲を保存することができました。また、ATRAC3は、ミニディスク（MD）にも採用され、高音質で音楽を録音・再生することができました。