共通鍵暗号とは？特徴と代表的な暗号方式

共通鍵暗号とは？特徴と代表的な暗号方式

共通鍵暗号の特徴

共通鍵暗号の特徴

共通鍵暗号では、暗号化と復号の両方で同じ鍵が使用されます。この鍵は、暗号化と復号の両方に参加するすべての当事者が安全に共有している必要があります。共通鍵暗号は高速で効率的であることが特徴ですが、鍵管理が重要です。鍵が盗まれたり、侵害されたりすると、通信の機密性が危険にさらされます。そのため、共通鍵暗号システムでは、強固な鍵管理プロトコルと鍵交換メカニズムが不可欠です。

鍵のやり取りの重要性

共通鍵暗号において鍵のやり取りが持つ重要性は非常に高いです。共通鍵暗号方式では、送受信する両者が同じ鍵を使用するため、鍵の安全な管理と共有が不可欠です。鍵が漏洩したり、不正に使用されたりすると、暗号化されたメッセージが簡単に解読されてしまいます。そのため、共通鍵のやり取りは、安全なチャネルや信頼できる手段を通じて行う必要があります。鍵の交換時には、第三者による傍受やなりすましを防ぐために、デジタル署名や鍵交換プロトコルなどの追加のセキュリティ対策が講じられることがよくあります。

代表的な共通鍵暗号（DES、AES）

代表的な共通鍵暗号として、DES（データ暗号化標準）とAES（高度暗号化標準）が挙げられます。DESは1977年に米国国家標準局（NBS）によって開発されたブロック暗号で、長年広く使用されてきました。一方、AESはDESの後継として、2001年に米国国立標準技術研究所（NIST）によって採用されたブロック暗号です。優れたセキュリティと速度を備えており、現在最も広く使用されている共通鍵暗号の一つです。

他の暗号方式との違い（公開鍵暗号）

共通鍵暗号とは、送信者と受信者の両方が同じ秘密鍵を使用してメッセージを暗号化および復号化する暗号化方式です。一方、公開鍵暗号では、送信者は公開鍵を使用してメッセージを暗号化し、受信者は対応する秘密鍵を使用して復号化します。

この違いは、公開鍵暗号では秘密鍵を安全に保持する必要がないことにあります。公開鍵は広く共有できますが、秘密鍵は受信者のみが保持します。つまり、公開鍵暗号では、メッセージの送信者が受信者の秘密鍵にアクセスする必要がなく、安全なコミュニケーションが可能になります。

共通鍵暗号の利用シーン

共通鍵暗号の利用シーン

共通鍵暗号は、機密情報を共有する必要があるさまざまな場面で広く利用されています。代表的な用途には次のようなものがあります。

* メッセージングアプリ WhatsApp、Telegram、Signalなどのメッセージングアプリは、ユーザー間で送信されるメッセージの暗号化に共通鍵暗号を使用しています。これにより、第三者による傍受や解読を防ぎます。
* 電子メール PGP (Pretty Good Privacy)などの暗号化ソフトウェアを使用すると、電子メールを暗号化して、受信者だけが復号できるようになります。
* ファイル暗号化 VeraCryptや7-Zipなどのツールを使用して、ハードドライブや取り外し可能なストレージデバイス上のファイルを暗号化できます。これにより、データの漏洩や不正アクセスを防ぎます。
* オンラインバンキング オンラインバンキングでは、共通鍵暗号がトランザクションの機密性を確保するために使用されています。これにより、顧客の財務情報が傍受されるのを防ぎます。
* 音声通話とビデオ会議 ZoomやMicrosoft Teamsなどのプラットフォームは、音声通話とビデオ会議を暗号化するために共通鍵暗号を使用しています。これにより、会話のプライバシーと機密性が確保されます。